「しっかし、恐ろしいことするもんだなぁ」 紅茶を注ぎながら松井が感嘆して言った。 「自信あったからね」 葵はのんきに答えた。 「お前じゃなくて、北条だよっ。よく頭にリンゴなんて乗せたなぁ。いくら皆川が全国優勝の弓の名手でも」 松井はティーカップを葵の前に差し出した。