「付き合って?」

綾香の言葉に裕二はよくわからんという顔をする。


「付き合ってるじゃん」

「違う!一眼レフとかいうの買うから付き合って!」


裕二はプッと笑った。
綾香はムカッとした。

「綾香には無理だって」

「だから買って練習すればいいんでしょ?」

綾香は引かない。

「いつ、練習するの?」

「裕二君が教えてくれる時」

裕二は綾香を見るが綾香は視線をそらさずに裕二をじーっと見る。


「…わかった」

裕二の根負けだった。
その瞬間綾香はやった!勝った!と勝利にひたった。

本当はあちこち連れ出して裕二が疲れて寝れればと思っていた。
写真もやりたいけど、そちらの考えの方がホントだった。




電気屋さんに着いた。

綾香はその種類の多さに驚いた。

「こんなにあるの?」


「あるよ?」

「そうだな~綾香のだから初心者用で~軽いのがいいかな」

とその中のひとつを手に取った。

「綾香これ持ってみ?」

持つと随分と軽い。

「シャッターボタン上手く押せる?このボタン」

丁度人差し指の所にある。
押してみた。

「…あ、いい感じ」

「値段は…6万くらいだな。ある?」

「うん、貯金してあるよ」

「じゃあ決まりだ」

あっさりとカメラを購入した。