先生の天使

食事を終え、裕二母と２人で後片付けしながら話しをしていた。

「新学期になったらと思うと心配で…」

「そうね。でも…行かないといけないわ。学生じゃないんだから」


「そうですね…」

今までのほほんと生きてきた綾香はかをりの件で噂の恐ろしさを知った。

どこから、いつ、出てくるのか分からない「噂」

「月曜日ですよね？新学期」

「そうなのよね。それが問題だわ。寝れてないのにまともに授業出来るのかしら？」

母の言うことももっともだと思った。

寝れなかったら集中力も欠けるし、ミスも多くなるだろう。



「綾香～」

と裕二がひょっこりと顔を出す。

「ひゃあ！」

綾香はびっくりする。


「そんなにびっくりすることないだろう？」

裕二は口を尖らせる。


「どどどうしたの？」

「暇なんだけど」



プッと綾香が笑った。

「子供ね。裕二君」

聞かれてなかったよね？
綾香はドキドキしてしまったが母が何事も無かったように「ここはもう大丈夫よ。行って？」とフォローしてくれた。


「あ、でも…」

「いーからいーから、母さんに任せよう」


綾香を引っ張っていく。