先生の天使

「裕二君寝れたの？」

鏡の前で髪をとかしながら聞いた。

「全部で4時間くらい」

１時間寝れたからいいとしていいのか、それともそれしか寝れなかったのかと思ったらいいのか、綾香は悩んだ。




「４時間？」

綾香と朝食を作っていた裕二の母が聞き返す。

「はい、いつもは３時間くらいって言ってたから１時間多く眠れたと言っていいのか、わからなくて。」

フレンチトーストの甘い香りが漂う。

「学校も行きたくないっていうんです」

「えっ」

やはり母も驚いた。

「裕二がそう言ったの？」

「はい」


出来たフレンチトーストを皿に載せながら続ける。

「かをりちゃんのこと、生徒さんが知ってるのかなって…でももし知らなくても時間の問題だと思うんです。かをりちゃんが最後に行ってた学校につながりがある子がいるらしいですし…」


「そうだわね…」

母は溜息まじりに同意した。

「さ、運びましょ」


「はい」

２人は朝食を待ち焦がれてる男集の所に運んだ。