落ち着いた裕二と二人でかをりの家を出る。

「落ち着いた?」

綾香は裕二の顔を覗き込む。

「うん。ありがとう綾香」

その言葉に綾香はわっと泣き出す。
その様子に裕二も慌てる。

「ど…どした?」

「裕二君、やっと名前呼んでくれた。」

鼻を真っ赤にして綾香が微笑んだ。

「平沢のことは一生忘れない。」

「うん」


「…帰ろうか」

と、手を出す。

「うん!」

と手を握ってふたりは帰路についた。