「フゴッ」
目が覚める。
「おはよう」
車はまだ走ってる。

しまったぁ!!寝ちゃった!
ここは気のきいた喋りでもしないと…

押し殺した笑いが聞こえる。
「綾香ちゃんさ…どんな夢みたの?」

はえ?夢?

「…覚えてないけど何で?」
すると裕二はプッと笑う。
「ね…寝ながらうひゃうひゃ笑ってたよ〜」
裕二は笑いが止まらない。

綾香は顔を真っ赤にして驚く。

寝ちゃった上に笑った!?大体笑ったって何?
私はいつも笑ってるってこと!?
きっとくすくす笑いだよね?

「くすくす笑ってた?」
とまだ笑ってる裕二は更に笑って
「かなりな大声で笑ってたよ!俺ドライブで寝る子はいたけど…あんなに寝言で笑われたの初めてだよ〜」
またゲラゲラ笑う裕二。

ひょえ〜恥ずかしい!!
私ったら何の夢見たんだろう?いや、それは問題じゃないわ。言い訳をしないと…実は起きてた…とか?

「言っておくけど寝てたからね(笑)信号赤の時頬っぺたつねってもむにゃむにゃ言ってたから」

裕二は綾香の考えがわかるかのように先に言ってしまった…


綾香はこの空気から逃れたい一心で提案した。


「お腹すいた!!」
綾香の精一杯なのが情けない。
「そうだな〜休憩するか」