先生の天使

「えっ人数?」
川口はひきつっている。
「はい、裕二君の今までの彼女の人数」
真面目な顔で川口に詰め寄る。
「ひ…人並みじゃないの?」
「教えてください」

観念したのか川口が言った。
「20人以上…かな?」

その人数の多さに面食らった。

「そんなにですか!?」

「でも最後の女って言ってもらったんでしょ?気にする事ないよ」

気に…するわっ
20人以上ってことはすぐ別れることが多いってことだよね?
私達…付き合って半年もたってない。
このまま行ったら捨てられる?

そんなことがぐるぐると頭を回り仕事のミスは連発。
謝りながらも人数の事が気になってしかたない。

多かったから?過去なんてどうでもいいって言ったの?

仕事が終わって更衣室で着替えてから綾香は泣きながら会社をあとにした。

すると電話がかかってくる。
また知らない番号…

「も…もしもし」
つい出てしまった。

「あ…裕二の友人の黒井だけど」

「…こんばんは。」

「ちょっと会えないかな?」

綾香の会社の近所の喫茶店で待ち合わせする。

待ってると黒井がやってくる。
「待った?…泣いてるの?」

「だ…大丈夫です。」笑って見せた。

珈琲が運ばれてくる。
それを見届けて黒井は話し始めた。

「裕二は遊び人だよ。綾香ちゃんみたいな純情な子には耐えられ無いと思う。」

今、まさに考えていたことだ。
綾香は深呼吸した。