「着いたよ」
裕二の言葉で「ふげ?」と目が覚める。

しまったぁ〜やっぱり寝ちゃった〜
もう、どうしてこうなんだろう?
私の馬鹿!!!

ふっと外を見て気付く。
「ここ裕二君家だよ?」
「うん、寄ってけ〜」

「あら、綾香ちゃん、いらっしゃい」
にこやかに裕二の母が迎える。
「おじゃまします」
ペコリと頭をさげる。

「裕二、あなたギプス取れたからって無理しちゃ駄目じゃないの」
「平気だよ〜」
裕二は口をとがらせる。
「無理しちゃ駄目」
綾香も裕二の母にのる。
裕二は根負けして「分った。徐々にね」
「そうよ。」
と裕二の肩をポンと叩いて裕二の母は部屋に入っていった。

裕二の部屋に入ると早速撮って来た写真をパソコンに落とす。
「あ〜これ目線欲しかったなぁ。」
とか
「ライオンバスは正解だったなぁ」
とか夢中。
ソファに座ってその様子をみていると
「綾香のカメラ貸して。何撮った?」
綾香の分もパソコンに落とす。
それを見て
「凄く遠い…」
裕二ががっくりする。
「え…でもちゃんと撮ったよ?」
「ズームした?」
「ズーム?」
裕二は額を叩いた。
「そっかぁ〜綾香は機械ものに弱いのかぁ〜言ってよ〜」
綾香もムキになる。
「だって裕二君自分の世界に入っちゃってたんだもん!」
「ごめんごめん」
笑いながら綾香の隣に座る。
「今度はちゃんと教えるから」
「今度はない!」
綾香はプイとそっぽを向く。
「ごめんて」
頭をぽんぽんと叩く。
その行為だけで綾香は赤くなる。