自宅に着いた綾香は携帯を持ち、裕二の番号を出す。
しばらくして携帯を机に置く。

……というのを何回も繰り返していた。

かをりのこと、裕二君に言った方がいいのか。。。?
それでおおがかりになれば返って逆効果かも。
でも知らんぷりなんて出来ない。
しかしそういう対処なんて綾香に分る訳もないし…。

やっぱり言おう。と携帯を手に取ったら裕二から電話がくる。

「も…もしもし?」
心臓はバクバクだ。
「綾香?」
「うん?」
「電話待ってた」
「へっ?」
「綾香達、うちの防犯カメラに映ってた。なに話してたの?」

ぼ……防犯カメラ。それは予想外だった。

「平沢、蹴られてた?綾香かばって言い合いしてたよね?」

「実は。。」
綾香はことの顛末を話した。裕二は無言だった。

「あの。裕二君?」
恐る恐る聞く。

「ちょっとは予想してたんだ。事故から大人しかったというか見かけなかったから。でも現場見た訳じゃないし、確信がなかったから」

「どうしよう。裕二君」

「ん。綾香はとりあえず何もしなくていいよ。俺の事だから。巻き込んでごめんな。」
「そんな巻き込まれたなんて思ってないよ。裕二君の問題だもん。大事だよ。」
「ありがとな。」
「私が裕二君と付き合ったりしなければこんな事にならなかったのかも。。どうしよう。。」
その言葉に裕二が声を荒げた。
「そんなこと言うな!綾香は俺が選んだの。二度と言わないで」
裕二が声を荒げたのは初めてだ。綾香はびっくりしてしまう。
「ごめんなさい。。」
「ん。怒鳴ってごめん。」
「ううん、私こそごめんなさい」
「……」
裕二が無言で心配になる。
「あの。。怒ってる?」
「今綾香の頭を撫でてる気分。よしよし」
「もぉっ。。ありがと。私、見守ってるね」
「うん。俺も考える。」

そう言って電話を切った。