豪華な玄関を抜けて裕二の部屋へ通された。
広すぎて何畳なのか分らない。

「よっこらしょ」

とおやじ臭い事を言いながら裕二がソファに座る。

その様子をボーッと見ていた綾香に「座れば?何つったってんの?」と笑う。

「あ、はい。。」

と、裕二の隣に座る。

部屋はとても綺麗で天井は高く白い壁が綺麗で家具はシンプルでドラマのようだ。

と。。。見たら机だけはぐしゃっとしてる。

「仕事家に持ち帰ったりしてるの?」

と聞くと

「うん。学校だと暇なくて」
「大変だねぇ。。」

と、思わず言ったら
「自分で選んだ仕事だから」
という答えが返ってきた。

何だか惰性でOLしてる自分が恥ずかしかった。
何となく就職して何となくミス無く仕事してお給料貰って。。
裕二のような仕事の仕方をしたことがない。

「裕二君て凄いね」

「は?」

突然言ったので裕二は「?」である。

「あっ、気にしないでね。」

その時裕二の母が入ってくる。

ケーキと芋ようかんが並んでいる。
「どっちも美味しそうだから両方いただきましょ?」
とにっこりした。
「あ、ありがとうございます。」
と言った所で裕二が
「何、綾香気を使わせちゃったなぁ。ごめんね」
綾香は焦ったように
「ううん、会いたかったし」
と言ったら裕二は言葉を飲み、母は笑った。
裕二は珍しく赤くなっている。そこで綾香は気付いてまた焦る。
「あ…違うんです。足…足が気になってて。。」
裕二の母はにっこりしながら
「邪魔者は退散するわね」
と言って出て行ってしまった。

しまった〜と綾香は後悔した。

「ごめんね、つい本音が。。」
といい訳したがいい訳になってなかった。