何でキスしたの?

とか

どんな意味があるの?


とは聞けず…
キスと口に出すのも恥ずかしいし…
車は渋滞に巻き込まれることなく進んでいる。


はっ、そうだ。
また寝ないように会話しなきゃ!

何話そう…
そうだ、やっぱり歴史の先生だから歴史の話題がいいかしら?


「し…聖徳太子ていっぺんにいっぱいの人の話し聞けるなんて凄いよね!」
綾香の歴史の成績からして歴史は苦手だった…

「えと…えと…」
と悩んでたら裕二が吹き出す。

「もしかして歴史の話題探してるの?」


ズバリだ。


「えっいや別に…」
慌てて弁解しようとするが言葉が見つからない。


「綾香ちゃん分かりやすいな〜」
クスクスと笑う。


がーん!!私って分かりやすいの?
でも私なりに真剣に考えたわけだし…頑張ろうて思ったから…



「私はっただ会話を楽しくしようとして…」


「そんな…馬鹿にするなんて…私は…」


うっ泣く!!


「酷い…」


慌てて裕二は車を路肩に停めた。


「ごめんごめん、馬鹿にした訳じゃないんだよ。ただ可愛いなって思っただけで…泣かないで…」

綾香は泣きじゃくる。

「恋愛音痴って言ってたの忘れてたよ。ごめんね」