「そうよ、お義姉さま」

後ろには、灰かぶりの姿があります

「お義姉さまからいただいたドレスとウィッグとガラスの靴を履いて、パーティーに行ったの」

「どうして!」

「だって!」

灰かぶりは胸を押さえて、嘆きました

「お義姉さまは、私に綺麗な部屋に住ませたわ!私に料理をさせたわ!私に綺麗なドレスを着せられたわ!私にたくさんの贈り物をしたわ!それに、パーティーに行ったのだって、私がこの商家を継いだとき、楽に仕事させようとしたのでしょう!?あんまりだわ!」

義姉は驚きました

二人の義姉は、それはそれは灰かぶりのことを愛していたのです

自分達の母の暴行から灰かぶりを守れなかったことを悔やんでそれはそれは可愛がっていたのですから

二人のうちのどちらかが王子の妃になったら、その義妹である灰かぶりも幸せになれるだろうと思ったからなのです

灰かぶりをパーティーに連れて行かなかったのは、王家という、陰謀と野望と嫉妬と横暴が繰り広げられる場所に可愛い義妹を放り込みたくなかったからなのです

「私は!逆境にいないと頑張れないの!」

「ふん……マゾか」