あの時、紗羅が俺に“別れ”を言った時…

紗羅はもうわかってた?

だから―…、

俺に別れを告げた?


『っ…―』


何も気づいてやれなかった…。


思えばあの時、紗羅の様子は変だった。


『悪い、俺…―ッ』


最後まで言う前に俺は、席を立ってあの人の所へ向かった。


今、俺が出来ることはただ一つだ…―。