ピリリリリッ

「ん…」

目覚ましの音が、誰もいないこの部屋にやけに響いた気がした。


ベットからむくりと起き上がり机に置いてあった真新しい制服に腕を通す。

念のため、茶色のロングヘアーのウィッグを被り黒のカラコンをつけて
一階に降りると、再び閉じそうになる瞼を擦りながら冷蔵庫を開けた。


「はぁ……」

空っぽだった冷蔵庫に思わずため息を吐いて 仕方なく入っていた麦茶だけ飲んで家を出た。