だがあたしは数日前に県道脇で発見したマネキン人形のことを思い出していた。
寝袋に逆さまに突っ込まれて捨てられていたマネキン人形。
達郎はそのマネキン人形のことをしきりに気にしていた。
「なぜ捨てられたのか」と。
「あの、何か」
たまらずといった感じで哲夫が訊いてきた。
「広義さんが発見された日、近くにマネキン人形が投棄されていたのはご存じですか」
達郎の問い掛けに対し、やや間を空けてから、哲夫はうなずいた。
「そのマネキンを発見したのは我々なんですよ」
達郎の言葉に対して鳥海夫妻が息をのんだのがわかった。
「だからマネキン人形を見ると気になるんです。事件と関係があるんじゃないかと思いましてね」
達郎は畳み掛けるように言った。
夫妻からはもう、返事はなかった。
あたしはまさかと思ったが、こうもあからさまな反応をみせられては疑いようがない。
県道脇にあのマネキン人形を捨てたのは、この鳥海夫妻だ。
寝袋に逆さまに突っ込まれて捨てられていたマネキン人形。
達郎はそのマネキン人形のことをしきりに気にしていた。
「なぜ捨てられたのか」と。
「あの、何か」
たまらずといった感じで哲夫が訊いてきた。
「広義さんが発見された日、近くにマネキン人形が投棄されていたのはご存じですか」
達郎の問い掛けに対し、やや間を空けてから、哲夫はうなずいた。
「そのマネキンを発見したのは我々なんですよ」
達郎の言葉に対して鳥海夫妻が息をのんだのがわかった。
「だからマネキン人形を見ると気になるんです。事件と関係があるんじゃないかと思いましてね」
達郎は畳み掛けるように言った。
夫妻からはもう、返事はなかった。
あたしはまさかと思ったが、こうもあからさまな反応をみせられては疑いようがない。
県道脇にあのマネキン人形を捨てたのは、この鳥海夫妻だ。