寮の前で、ハザードがたかれる。
オレンジ色の灯りが〝チカチカ〟と点灯する。
「深海、大丈夫か?」
「先生。」
半泣きのわたし。
困った顔の先生がわたしを覗き込む。
ハぁー。
深いため息がこぼれる。
先生も困っちゃうよね。
こんなわたし・・・。
「大丈夫です。」
勢いよくドアを開けて、車から飛び出すと軽く一礼して寮まで猛ダッシュ。
寮の玄関に灯る明かり。
マンション全室が寮になっている。
わたしの部屋は2階の角部屋。
夜はエレベーターにも乗れない。
暗い中、あんな小さな空間で過ごす事が出来ない。
わたしは速足で、階段を駆け上がる。
部屋にたどり着くと、玄関のカギを開ける。
真っ暗な空間が目の前に現れる。
慌てて電気のスイッチを入れると、目の前がいっきに明るくなる。
明るくなったとはいえ、ひとりの夜は嫌い。
テレビのボリュームをあげ、小さく身を丸める。
バイトの時間電源をOFFにしていた携帯の電源をONにする。
新着メールを知らせるメロディーが鳴りつづける。
こんなこと、めったにないのに・・・。
受信ボックスを開いて、手を止めた。



