お父さんがめずらしく、歌なんか歌って機嫌がいい。 久々に、明るいお父さんの表情。 目も生き生きとしていた。 お父さんは、ひとりの女性をわたしの前に連れてきた。 その女性は、初対面のはずなのにどことなく懐かしくて、見覚えがあって。 どうして、こんな気持ちになるのかわからなかった。 だけど、その訳はすぐにわかった。 鏡の中の自分に似ているんだ。 そう、わたしに。