お父さんの機嫌がいい日。
それは、女の人が家に来る日。
外にも出て行けなくなったわたしをお父さんは押し入れに押し込んだ。
狭く、暗く、いつまでも続く闇。
わたしは、気が狂いそうだった。
震える体を自分で抱きしめることすらできない。
声をだして、助けを呼ぶ事も出来ない。
わたしは、おとなの情事が終わるまで目隠しをされ、口を粘着テープで塞がれ、手を後ろで縛られ押し入れに転がされる。
お父さんが、機嫌がいいなら・・・・。
そう自分に言い聞かせ暗い闇の中を耐え続けた。
そんな、日常が続いたある日、わたしは知ってしまった。
たわいもない近所のおばさん達のうわさ話。
それでも、わたしの中で全てが結びついていく。
まるで、パズルが完成していくみたいに。
中1の時だった。



