deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ～わたしは生徒で、彼は先生で～

長年、その土地に住んでいるご近所さんは、ペラペラと口を滑らす。

わたしに聞こえてないと思っているのだろうか？

うわさ話しとして、いっきに広がる。

噂されるのは慣れている。
噂されても仕方のない家だから。

でも、父でもない第３者の口から真実を知るとは思ってなかった。


わたしが、全てを知ったのは中学に入学した年だった。

ずっと、父がわたしをなんで憎んでいたのかも。

時々見せるどうしようもない目線も。

全て、理解できた。

うわさ話があまりにリアルだったから。
それは、真実としてわたしの心に刻まれた。


父が母に求愛した時、母のお腹の中には子どもが宿っていた。

しかし、その相手は、会社の上司で妻子持ち。
けして許されない相手だった。

お腹に子どもを宿した母は、上司にも捨てられ途方に暮れていた。
そんな母に手を差し伸ばしたのが父だった。

父と母と生まれたわたしと３人は本当に幸せそうに暮らしていた。
でも、わたしが５歳になる頃母は１０歳近く年下の男と蒸発してしまった。

残された、父とわたしは、その場にととどまり母の帰るのをまっていた。
しかし、その願いは１年、２年と月日が過ぎて行くと共に色あせていった。



父は酒に溺れる事を覚えた。

それでも、わたしがまだ小さい時は愛情を感じられた。
幼稚園、小学校のお弁当、運動会、参観日、わたしが悲しまないように寂しくないように出来るだけの事をしてくれた。

わたしは、父が大好きだった。

そんな父が変わりだしたのは、わたしが６年生に進学した頃だった。


膨れ始めた胸。
初潮。

わたしの体は、みるみる変わっていった。


そんなわたしを見る父の目が怖いと感じたあの日。
全てが狂ってしまったのかもしれない。