優等生として過ごす学校。

校門を出るとハぁーとため息をつく。
何故か、ドッと疲れてしまうから。


わたしは、また駅に向かう。
帰りは比較的ゆったりとした車内。

イスに座ると、教科書を取り出す。

「電車の中までお勉強!!」

「さすが優等生!!」

なんて言葉が聞こえてきそう。

でも、そんなんじゃないから。

時間を有効に使っているだけ。

わたしは、1秒も無駄にできないから。
生きて行くために。


降りる駅が近づく。
鞄の中に教科書を押し込むと、電車の出口付近に立つ。

駅に着いた途端、わたしは駆けだす。

制服を脱ぎ捨てるために。

ロッカーから、荷物を取り出すとわたしはトイレに駆け込む。

メガネを外し、制服のリボンを解き脱ぎ捨てる。

私服に腕を通すと、トイレの鏡の前できつく編んだ髪を解く。

軽くウエーブのかかった髪を軽く束ねると、速足で帰路につく。

夜のわたしに切り替わるために・・・。