何も告げず、静かに去る予定だった。

誠君の想いには答えられなくて。


だから居られなくて。


もし、先生が1日でも遅かったら、再会する事も出来なかったと思う。

聖也が俺に寄りかかりながら話す。


 「やっぱり、あいつ。」

ついイラっとする


 「やきもち?? 」

聖也がにやけて突っ込む。


 「バーカ!! 調子に乗るな。」

事実を突っ込まれても認められない。



沈黙に包まれる。




きつく抱きしめることで俺の想いは伝わっているはず。


 「もしすれ違っていたとしたら、会えるまで探してた。」

俺の腕の中で聖也が小さくうなずく。