「さっきは、怒鳴ったりしてすまなかった。」
男に頭を下げる。
大人げないことをした。
俺より確実に年下の生徒とあまり変わらないくらいの男に本気で怒鳴ってしまったのだから。
「聖也が想っているのはあなたなんですね。」
「あぁ。あいつは俺しか好きになれない。俺たちはどこか似てるからな。」
「あなたも、聖也を好きなんですよね。」
「あぁ。そうだ。 俺にとってもあいつは特別なんだ。あいつの代わりなんてどこにもいない。」
もう何も迷わない。
世間体も。
全てを失っても聖也だけは離さない。
そう思えたら、聖也への想いを素直に語れた。



