中から現れた、人のよさそうな女の人。
「いらっしゃいませ。 寒かったでしょう? さぁさぁ上がって下さい。 」
「すいません。 お客じゃないんです。 こちらに深海聖也って女の子がお世話になっているかと。」
「あなたは・・・?」
顔色が一瞬で変わる。
聖也の事情をどれだけ知っているのか?
「わたしは、深海聖也の担任です。」
「担任の先生?」
「はい。深海を迎えに来ました。 」
「ちょっと待って下さいね。」
奥に消えて行く女の人。
もし、もし聖也が会う事を拒むようなら俺は追い返される。
そういう訳にはいかなかった。
俺は、勝手に奥へと進んだ。
温かい温もりが伝わってくる。
聖也はきっとここで大切にされていたんだろう。
それは聖也を目の前にして確信へと変わる。



