「深海、放課後職員室に来てくれるか?」

 「何の用でしょうか?放課後はちょっと。」

 「そうか。それならいい。」

聞いてみたかったんだ。
君が冷めた暗い目をする訳を。

悩みがあるのなら打ち明けてほしかった。

俺は君の担任で、少しぐらいなら君の事情も把握しているつもりだ。


君は、クラスではけして弱いところを見せない。

いつもみんなに頼られて、嫌な顔ひとつしないで、みんなをまとめてくれている。

感謝しているんだ。
頼りがいのない俺の代わりに君がクラスをまとめてくれている事に。

ただ、それで君が精神的に重荷を感じているのであればそれは、考えなければいけないことだから。

俺は、じっくり話しがしたかった。

少しでも君を理解したかったんだ。