民宿に温かい明かりが灯る。

優しい旦那さんに奥さん。

どこの誰かも分からないわたしを何も言わずに雇ってくれた。

娘のように可愛がってくれた。



こんな温かい家族があること、わたしは知らなかったんだ。


みんなで囲む食卓も、何げない会話も。
たまに見る親子げんかも。

どれもが新鮮で羨ましかった。


誠君がキラキラと輝いて見えるのは、きっと旦那さんや奥さんの愛情をいっぱいもらって育ったから。


わたしには、望んでも手に入れる事が出来なかったもの。

それがここにはある。