「聖也がずっと誰かを想ってここに来ていたのはわかっていたよ。」
「誠君? 」
「海を見つめる聖也は切なそうで見てられなかった。」
「俺じゃダメか? 何があったかは聞かない。 ただそばにいたいんだ。」
きつく抱きしめられると、壊れてしまいそう。
ひとりで生きて行くと決めた決意も。
遠い先生への想いも・・・。
でも、ちがうんだ。
先生とはちがう。
ドキドキも切なさも。
不安も安らぎも。
そして、幸せな時間も先生がいてくれたから。
先生だったからなんだ。
わたしは、まだこんなに先生が好き。
大好きなの。



