まだ足跡ひとつ残っていない真っ白い景色がそこにある。 一歩踏み出すと 〝キュっ〟って雪がなる。 足跡をつけるのがもったいなくて。 でも、そんなのお構いなしに誠君がわたしを引っ張る。 無言のまま歩き続ける雪の上。 雪の上ふたりの足跡が並んで残る。