「聖也~!! 外。 外。 」

半開きのドアを思いっきり開けて誠君がテンション高めで入ってくる。

 「ちょっちょっと・・・」

一応、女なんですけど・・・。
そんな風には、考えられないんだろうけど・・・

 「あっごめん。 でもめっちゃテンション上がるって。 外見ろよ。」

 「外? 」

カーテンのすき間から外を眺める。

 〝目の前一面銀世界〟

初めて見た。
朝日が射し込み始める。

キラキラと陽の光に反射して輝いている。

 「ほら。 早く着ろ!! 行くぞ!!  」

誠君が、上着を投げつける。

 「どこに??? 」

 「外に決まってるだろう。」

誠君が腕を掴む。
あの日から、誠君は手を差し出す事はしない。

わたしが困るのを知っているから。

だから、強引に腕を掴む。

そして、わたしの意思とはちがう所でわたしは誠君に振り回される。