「行こうか・・・ 」 お尻についた砂を叩(はた)きながら誠君が手を差し出す。 その手を取ることを戸惑っていると誠君がわたしの腕を引っ張る。 わたしの手は汚れている。 だから・・・手を繋ぐ事に抵抗がある。 初めてここに来た時と同じ。 誠君に腕を引っ張られながら歩く砂浜。 潮の香りがふたりを包む。