「ビックリしたでしょう? 忙しくて。」
「冬休みが近いからですか?」
「それもあるけど、この時期はみんな冬の海産物目当てでやって来るの。」
奥さんがキッチンに案内してくれる。
「お父ちゃん紹介遅れたけど、聖也ちゃん。今日から住み込みで働いてもらうから。」
「聖也ちゃんか。 よろしくね。 」
お腹がぽっこり出ているけど、人のよさそうな旦那さん。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「そうだ。誠~。」
「なんだよ。親父!! ちゃんと手伝ってるだろう!! 」
「聖也ちゃんに手出すんじゃないぞ!! 」
「聖也ちゃんもこの馬鹿息子には気をつけるんだよ。」
「・・・・・//////。 」
「くそ親父―――――――!!!!!!!」
誠君が吠える。
「ぷっ。」
旦那さんと奥さんが顔を見合わせて笑いだす。
ご夫婦の人のよさがにじみ出ている民宿。
笑顔が絶えない。
幸せを絵に書いたような家族。



