シャワーの雫がこぼれ落ちる髪。
ドライヤーで乾かしながら、まだ寝ていたいと思う。

眠りについたのは、外がうっすらと明るくなってきた頃で、2時間くらいの仮眠で目を覚ます。

目の下に出来たクマを、ファンデーションで隠す。

大量の荷物を手に、玄関のカギを締め駅に向かう。

週5日わたしの日課。



駅のトイレで、わたしは昼の私へと切り替わる。

きつく編まれたみつ編みに、カモフラージュのメガネ。

完璧な優等生にとスイッチを入れ変えると、大量の荷物をロッカーに押し込んで、満員電車に乗り込む。

ギュウギュウともみくちゃにされる車内。学校の身より駅で降りると同時に、ホッとするのと、深いため息とがこぼれる。

今日も、どさくさにまぎれて何度お尻を触られたか。

腹が立つ。

今日は、仕返しにおもいっきりそいつの足を踏みつけてやった。

ビックリしたのか、男はもみくちゃな狭い車内を押しつぶされながら移動していった。

ザマ―ミロ!!

そう思いながらもまだ、怒りが収まらない。

男って本当にアホ。

そう、わたしの一番身近な男もその一人だ。


そんなことを考えながら、校門をくぐると教室へと向かう。