――『お前たちが血の繋がった兄妹かどうか、正直俺にはわからない。

けれど、その可能性もじゅうぶんにあるってことを頭に入れて
……これからのことを考えてほしい』


叔父は帰り際にそう言った。


可能性。


この言葉に、気を失いそうなほどの恐怖を覚えた。



……大丈夫。
絶対に大丈夫だ。

僕と桜子が本当の兄妹かもしれないなんて、そんなわけない。



……もしも、本当だったら?

僕たちの体に、同じ血が流れているとしたら?



真実を知りたい。

知りたくない。


――怖い。


どうして?
どうしてこんなことになったんだろう。


僕たちはただ出会って、ただ惹かれあっただけなのに。


名前を呼ぶだけで胸に広がる愛おしさは、本当に何ひとつ変わりないというのに。