包丁をジャガイモにさす。

確か、お母さんはこうやって包丁を横に動かして・・・

「わっ」

包丁がガッと横にずれる。

勢いつけすぎたっ!?

「っ!」

指に痛みが走った。

「あーあ。」

智があきれたようにそう言うと、ポタリと血が1滴落ちる。

「だから言ったのに。」

「・・・・っ!」

うるさいわね、なんて言葉は出なかった。

「ばんそうこう。つけとけよっ。ほら。」

「・・・・っ。悪かったわねっ。こんな不器用な私とペアで・・・。女の子なのに料理全くできないなんて・・。・・・・。」