知らなかった僕の顔

僕らが無口になったのは、たぶん夜の海に圧倒されていたせいだ。


いつでも青いものと思っていた海が、暗い夜空と同化して不気味に轟いている。

低く迫力のある波音が、僕らを飲み込んでしまいそうで怖かった。


昼間とはまるで別の顔を見せる夜の海に、ただただ圧倒された。