知らなかった僕の顔

アパートへ辿り着くと、矢島さんは当然のように僕の部屋に上がり込んできた。


慣れた手付きでテレビのスイッチを入れ、リモコンでナイター中継を探しあてた。


そして黙ってテレビに見入っている。


僕と森若ちゃんも、矢島さんに気を使うことをとっくにやめていたので、二人で夕食を作ることにした。