知らなかった僕の顔

汗を滝のように流して、僕は矢島さんの話を聞いていた。


矢島さんをチラチラ見ていた太ったオヤジは、大きく息を吐いてゆっくりとサウナを出ていった。


僕の熱さは限界を越えて、一刻も早く出ていきたかったけど、矢島さんの青春の思い出話を遮るわけにもいかなかった。