ビクッとエリの体がこわばった。 振り向くと、10歳くらいの女の子が、闇の中に白く浮かび上がっている。 見たことのない女の子だった。 さきほどエリが屋上に来た時には、誰もいなかったはず。 エリは、驚きと違和感を感じながら、その子に言った。 「君、もう夜中よ。雨も振っているし、おうちの人が心配しているわよ」