彰は立ち上がり、ゆきに 近づいてきた。 少しこわい。 彰がこわい。 ゆきはぎゅっと目をつむった。 ふわっと香水の香りがしたと思った。 気づけばぎゅっと彰に抱きしめられてた。 「…あきら」 「お願い、話してゆき。 俺はゆきのこともっと知りたいんだ。 ぢゃないと、ゆきのこと 守ってやれないぢゃん。ゆき… お願い…。」 そう言って彰はゆきの頭をなでた。 あったかい。 久しぶりに感じたぬくもりに 涙が止まらなかった。