「痛っ!何するんですか?!」
突き飛ばされた西刑事は、街路樹に前歯を強打。
デジャブ。
さっきも同じようなことが起きたような気が・・・。
原田刑事は、集められていた落ち葉の山に刺さっている。
秘書ロボットめ、隙を突いて反撃してきたな。
公務執行妨害で逮捕して・・・
突き飛ばされたほんの0.何秒の間に、色々な考えを巡らせた二人だったが、その鋭敏な思考は、至近距離で重い物が砕け散るすさまじい音で吹き飛んだ。
突然のことに、固まってしまった西刑事。
反射的に無意味に銃を身構える原田刑事。
三人が立っていた場所には、大きな植木鉢が、いや、そうであっただろうという残骸が、地面に食い込み散らばっていた。
「!」
原田刑事が上を見上げ、闇夜に目を凝らす。
中層マンションの一番上に、身を翻す人影が一瞬、ちらりと見えて消えたのを、原田刑事は見逃さなかった。
「西、ここは頼んだ!」
銃を構えて、原田刑事は屋上へ向けマンションの階段を駆け上っていった。
「動くな!警察だ」
我に帰った西刑事が、植木鉢の残骸に向け銃を向ける。
いや、まだ我に帰っていないようだ。
傍らに倒れこんでいた二宮が、身を起す。
「二宮さん!大丈夫ですか」
「ええ、なんとか」
倒れた衝撃でどこかにぶつけたらしく、額に浅いかすり傷ができていたが、それ以外は無事なようだ。
「誰がこんなことを?二宮さん、心当たりないですか」
「・・・ありません」
「・・・それも嘘ですか?」
「・・・」
二宮は、否定しなかった。



