「・・・トイレにいました」
「嘘でしょう?」
「・・・嘘です」
「・・・いい加減にしないと、偽証罪で逮捕しますよ」
自分が彼らの望む答えを言わない限り、彼らは今晩寝せてくれないだろう。
少しの沈黙の後、二宮が観念して口を開いた。
「・・・社長室の前室にいました。社長と一緒に」
「それが本当、ですね?」
「ええ。これでいいですか?」
よくない。これからが本題だ。
「じゃあ、犯人を見たんですか?」
「いいえ」
「では、社長が撃たれたのは見ましたか」
「いいえ」
「妙ですねぇ。同じ部屋の中で、6発も撃たれて亡くなってる人がいるのに。あなた、どんだけ周囲の状況に無関心なんですか」
「銃声が聞こえた瞬間、反射的に机の影に隠れたんです。だから犯人も、撃たれたところも見ていません」
二宮がそう言ったとき、ちょうどマンションの入り口にたどり着き、三人は立ち止まった。
「最後にもう一点だけお尋ねしますが」
(西…このセリフは、こういうときに使うんだ、よく覚えとけよ)
「あなた、なぜ今までそれを黙っていたんですか?」



