C氏は世界の長者番付1位になるのが夢だった。
そんなことを夢見ながらいつも眠りに着くのが常だった。
今日も、いつもの通り眠りに着いた。
山に出掛けて、休憩した切り株の下を掘ると
見たことのないきれいな石が出てきて、それを加工して売っているのだ。
石の加工品は売れ行きが良く、一日に千個も二千個も売れていく。
とうとうC氏は世界の長者番付1位になった。
まだ夢の中だったがC氏は無理やり起き上がった。
まだ夜中だったが、庭に出ると、夢で見た切り株があった。
早速切り株の下を掘って見ると、確かに美しい石が出てきた。
C氏は飛び上がって喜んだ。
石で動物や葉っぱなどの形を作ってインターネットで売った。
本当に売れ行きは上々だった。ウソのような本当の話だった。
そして長者番付1位になった。
これ以降の夢は見ずに起きたので未来は分からなかった。
夢の通りにやってきたので経営に行き詰った。
どんどん売れ行きは下がるばかりだった。
経営会議と称していつも寝ていた。
夢の続きを見る為であった。
天の助けか夢を見た。
一文無しになる夢だった。
原因はいつも寝てばかりいて
売る努力をせず
営業にもいかないからだった。
C氏は一文無しになったことの反対をすればいい
そして心をこめて石を加工し
営業にも頑張った。
努力の甲斐なく、やはり夢のように一文無しになった。
やはり夢は実現するのだ。
全てC氏が心に思い描いたシナリオだった。