帰りに、貼り紙を見つける。 “夏祭り”の。 「あ、今年もやって来ましたこの季節。」 矢祇がえへと笑う。 今年もってゆーか、毎年夏は来るけど。 バンドの帰りだから矢祇とあたしと雪比良が揃っていた。 「今日じゃん。妃芽と行こーっと。」 「…雪比良、帰ろう。この色惚けナスを置いて。」 「あぁ。」 という事で、1人思想している矢祇を置いて、雪比良の家にお邪魔した。 玄関には青の靴がなくて「青は?」と聞く。 「サッカー合宿。」 「暑いのに大変。」 と肩を竦める。