(…しかし…遅いなぁ…)


もうすっかり日が落ち、
暗くなった窓辺に立ちながら
ぼんやり校庭を眺めた。


夏の大会に向けて
遅くまで練習していた
陸上部でさえ
とっくに片付けまで終えて
静まり返っていて。


風がすっかり色付いた
若葉を揺らして
サワサワと音を立てる。




突然、背後で扉が開く音がした。



一瞬ビクッとして
慌てて振り返ると。


「あー、ダルい」


そう言いながら
乱雑に書類の束をソファーに投げる
先生がいた。