明らかに女物のハンカチ。 あたしがそれを見てると、ちょうど先生が部屋に戻ってきた。 あたしの視線に気づいて、それをしまう先生。 「先生…」 「ん?」 何かフォローしてほしかったのに、触れてくれないと気になる。 「それってさ~」 「ああ、これは忘れ物」 「誰の~?」 先生は決まりが悪そうにあたしを見る。 「…健の母親」 「ふーん」 健くんのお母さんってことは、先生の最初の奥さん。 あたしは軽くショックを受ける。