「部活始めるよ。」
部長の言葉をきっかけに、あたしたちは部活を始めた。

「みあ、聞いて。」
部活が終わって、帰り道に美奈が静かにつぶやいた。
「うん?何?」
「あのね、あたし、引っ越すことになったんだ。」
「え?」
「お父さんの仕事の都合でどうしても…。」
「本当なの?」
「うん。突然決まって。だからあたし、転校することになった。」
「そっか…。」
「来週には引っ越すから明日がこの学校に行くの最後なんだ。」
「明日が最後??そんないきなり…」
「ごめんね。あたし、最後の大会出られない。」
「もう少し、引っ越しを遅らせたり出来ないの?」
「うん。あたしもたのんだんだけど、遠いところだから無理だっていわれた。」
ショックであたしは言葉がでなかった。
「みあ、ごめんね。」
美奈が泣いているのが分かった。
「美奈がいないと絶対勝てないよ。」
美奈はうつむいていた。
あたしはその場の空気に絶えられなくなり、走ってその場から逃げ出した。