「はあー……終わった……」

「お疲れ様っ! いきなり授業だと本当眠いよねえ……」


講習室から部屋に戻る時、アイちゃんは口に手を当てて大きなあくびをしていた。

確かに眠かったよね。授業に身が入らなかったもん。

今日は2時間だけで終わったから良かったけど、明日からは5時間もあるんだよなあ……。

でも先生の為ならそんな困難も乗り越えて見せるんだから!


「特別科の人達って勉強しないで力の特訓だっけ? 何か楽しそう……」

「そうだけど、何となく毎日体育をしているようなイメージだなあ……
って、あれ。湯浅先生じゃない?」


アイちゃんの言葉に思わず反応して前を見る。そこには確かに先生がいて。

その隣には見た事のない男の子がいる。

何を話しているかまでは聞こえないけれど、先生はどこか楽しそうな顔をしていた。