どこかで鳥がさえずりをしていて、セミも負けじと鳴いている。

暑さなんて全く感じられず、天然の冷房が利いているみたいで気持ちが良い。

それでもやっぱり海じゃないのは少し不満です。

来てしまった以上、もう文句は言えないのでこれで最後にしておこう。


アイちゃんと一緒に部屋に入れば、

部屋には木のにおいが充満していて、何だかまた心地よくなる。

本当眠っちゃいそうな勢いだ。でもそれは許されない。

少し休憩した後、もう勉強が始まっちゃうから。


「アイちゃん、今日は何だっけ? 国語だったら嬉しいんだけど」

「えーっとね……残念。今日は数学と世界史。国語は明日以降だよ」


どっちも苦手分野な上に、湯浅先生に会えないとな!?

初日からテンションが下がる事をしてくれるじゃないか。スケジュールを作った誰かめ。