ミラクル先生といっしょ。

「ところで小比木さん。急いでいたんじゃなかったの?」

「え? いや、べ、別に……」

「早く行きなよ。こんな所で油を売っていちゃいけない」


応援席で決勝を見る為に急いでいたんだけどね。何かどうでも良くなっちゃった。

でも先生が戻った方が良いって言うのなら戻るけど。

この時間が失われるのは実に惜しい事であって。だから少しあがいてみる。

思い出したのように振り向いて、次に繋げる言葉を投げた。


「先生、また暇があったら話相手になってくれますか?」

「良いよ。相談ならいくらでも」


……そう言う意味で言ったんじゃないけど。これもまた1歩前進、かな?

応援席に戻って行く時の私の顔は、きっとこれでもかって位に笑顔だったんだろうなあ。