気付いた時にはその言葉の真意を聞かないで逃走をしてしまいましたとさ。

めでたし、めでたし。……って訳にはいかないって。

どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう!!

足が痛いのなんて全然比べ物にならないってば。


他の部屋の人の迷惑だって分かっているけれど。

大袈裟な位に扉を大きな音を立てて開け閉めしてから、

明かりもつけずにカバンを机に放ってからベッドへとダイブした。

それから寒いから毛布を被ってから枕に顔をうずめて、冷めない興奮を無理矢理押さえつけようとする。

今までの比にならない位にドキドキしている。まともに食事も出来ない気がする。

言われるとは思わなかった。“好きなんじゃないですか?”って冗談交じりの言葉に、

“そうかもね”だなんて。しかもあんな憂いを帯びた表情でだよ?