その笑顔も今の私には“変に思われた”と軽くショックを受けてしまう物だった。

でももちろん先生はそんな事は一切思っている訳はない。

そう頭の中では分かっているんだけどなあ。


「な、何か問題でも……」


やっぱり聞いちゃう。不安はない方が良いって言うしね。

そしたらスッと手が軽くなる。先生が持っていた物を受け取ったからだ。


「君が無事だっただけで充分だったのに。……有難う。
いくら拒んでもきっと君は渡そうとするだろうし、素直に受け取るよ」


その言葉を待っていた。私はきっと安心出来る言葉が欲しかったから。

まばたきしないでずっと先生の顔を見ていたせいか、今度は先生が不安になっているなんて気付かず。